
Vol.345 団信の知られざる仕組みとは??
住宅ローンの裏側にある「保険」の正体を徹底解説
それが「団信(団体信用生命保険)」です。
たしかに安心感のある仕組みですが、
実はその中身についてしっかり理解している方は多くありません。
■どんな仕組みなのか?
■どこまでカバーされるのか?
■入れないケースはあるのか?
今回は、意外と知られていない「団信の仕組み」
1.団信とは何か?ざっくり言うと“住宅ローン専用の保険”
団信とは正式には「団体信用生命保険」のこと。
簡単に言うと、住宅ローン契約者に万が一のことがあった場合、
例えば、
ローン残高:3,000万円
契約者が死亡または高度障害状態
この場合、残りの3,000万円は保険で完済され、
これはかなり大きな安心材料です。
2.実は「銀行のための仕組み」でもある
ここが“知られざるポイント”です。
団信は借りる側のためだけでなく、貸す側(金融機関)のリスクヘッジでもあります。
もし団信がなければ、
■契約者が亡くなる
■返済が止まる
■回収できなくなる
というリスクが発生します。
つまり団信は、「借りる人の安心」と「貸す側の保全」、この両方を成立させる仕組みなのです。
単に保険会社が保険金を支払うもの、となりますから、
貸す側としては入ってほしいと言う本音があるのかもしれません。
団信に入らずに、家族が残りを返済できないとなれば、
貸し倒れになる可能性もありますから、、
3.団信は「無料」ではない?
よく「団信は無料で付いてきます」と説明されますが、これは少し誤解を招く表現です。
実際には、保険料は金利に含まれているケースが多く、
表面上は無料でも実質的にはローンの中で支払っているということです。
また、以下のようなケースもあります。
がん団信などの特約 → 金利上乗せ(+0.1%〜0.3%程度)
ワイド団信 → 別途保険料
「何が標準で、何がオプションか」はしっかり確認が必要です。
逆に、団信が任意なフラット35などは、
未加入の場合、少し金利が低くなったりしますが、金消契約後に入る事は出来ません。
4.どこまで保障される?意外と知らない適用範囲
団信と聞くと「何があっても安心」というイメージがありますが、
実際には適用範囲が決まっています。
【基本の団信】
■死亡
■高度障害(一定の条件あり)
この2つが基本です。
【拡張型(オプション)】
最近は保障内容が広がっており、
■がん診断でローン残高ゼロ
■三大疾病(がん・脳卒中・心筋梗塞)
■就業不能保障
といったタイプもあります。
ただし注意点として、
「診断されたら即ゼロ」ではなく、
例えば、
■所定の状態が一定期間続いた場合のみ
■軽度では対象外
など、意外と“ハードル”があります。
5.団信に入れない人もいる
これも重要なポイントです。
団信は保険なので、健康状態による審査があります。
■持病がある
■過去に大きな病気をしている
■投薬治療中
こういった場合、加入できない可能性があります。
では、その場合どうなるのでしょうか。
その場合、主に3つの選択肢があります。
① ワイド団信(条件緩和型)→加入しやすいが金利が上がる
② 団信なしで借りる→金融機関が限られる
③ 借入自体が難しい→現実的にはこのケースもあり得ます
「団信に入れる前提」で話を進めるのは危険です。
6.団信があれば生命保険はいらない?
これは、非常に多い質問です。
結論から言うと、ケースによる、です。
団信でカバーできるものは、住宅ローンの残債です。
カバーできないものとしては、生活費や教育費、医療費に老後資金などがあります。
つまり、「家のローンはなくなるが、生活は別問題」ということです。
そのため、扶養家族がいたり、収入が一人に依存しているといった場合は、
別途生命保険も検討する必要があります。
【見落としがちな注意点】
実務上の意外と見落とされるポイントも押さえておきましょう。
① ペアローンの場合
夫婦で別々にローンを組む「ペアローン」では、それぞれに団信が付きます。
ただし、一方に万が一があっても、もう一方のローンは残るという点は要注意です。
② 離婚時の扱い
団信は「契約者」に紐づくため、離婚しても契約内容はそのまま。
これも、トラブルの原因になることがあります。
③ 転職・収入変動との関係
団信自体は継続されますが、返済能力が落ちた場合は別問題です。
団信は“万能な保険”ではありません。
結論として、団信は「安心」だが「万能」ではないということ。
団信は、住宅ローンにおける非常に重要な仕組みですが、
■万が一のときに家族を守る
■ローン返済のリスクを軽減する
という意味では、大きな価値があります。
しかし一方で、
■保障内容には条件がある
■健康状態によっては加入できない
■生活全体をカバーするわけではない
といった側面もあります。
住宅ローンは「借りること」がゴールではありません。
“返し続けること”が前提の長期契約です。
その中で団信は、「万が一に備えるための重要な仕組み」ですが、
「これさえあれば安心」というものではないということを理解しておくことが大切です。
もちろん、住宅ローン完済後に亡くなられてしまったら、団信の恩恵は0です。
借入後、すぐに団信発動となることもあるでしょう。
購入時に加入必須なのか、任意なのかをはじめ、
加入される方は、どこまでの保障範囲で金利に変動はあるのか、、
そういった部分をシッカリ確認して下さい。
どうするのかは、金消契約までがタイムリミットです。
記:ファイナンシャルプランナー 菊池