
Vol.392 インフレ時代の家の価値とは??
不動産は「消費」から「資産」として見直される時代へ
「最近、物の値段がどんどん上がっている」
そう感じる方は多いのではないでしょうか?
食品・日用品・光熱費・車・住宅設備。
私たちの生活に必要なさまざまなものが値上がりしています。
これは「インフレ」と呼ばれる現象です。
インフレとは、簡単に言えばお金の価値が相対的に下がり、物やサービスの価格が上昇する状態のことです。
では、このようなインフレ時代において、住宅の価値はどう考えるべきなのでしょうか?
昔から住宅は、「人生最大の買い物」と言われてきました。
しかし現在では、単なる住む場所ではなく「資産を守る手段」として住宅を見る人も増えています。
もちろん、すべての住宅が資産になるわけではありません。
立地・需要・管理状態・将来性によって価値は大きく変わります。
今回は、不動産会社の視点から、インフレ時代における家の価値について詳しく解説します。
1.インフレになると現金の価値はどう変わるのか?
まず理解したいのが、インフレと現金価値の関係です。
例えば、以前は100円で買えた商品が150円になったとします。
これは商品の価値が上がったとも言えますが、逆に考えると100円というお金の購買力が低下したとも言えます。
つまり、インフレ時代では現金を保有しているだけでは、実質的な価値が減少する可能性があります。
そのため、資産を持つ人ほど現金以外の資産にも目を向けます。
その代表的なものの一つが、不動産なのです。
【なぜ不動産はインフレに強いと言われるのか?】
不動産がインフレ対策として注目される理由は、「物」であるからです。
土地や建物は、紙幣のように大量に発行できるものではありません。
特に土地には供給量に限りがあります。
そのため、物価が上昇する局面では土地価格や建築費が影響を受けることがあります。
住宅を建築しようとする場合、木材・鉄・人件費・設備などの価格が上昇すると、
新築住宅の価格も上昇しやすくなります。
結果として、既存住宅の価値にも影響する場合があります。
2.インフレ時代に「家を持つ人」と「持たない人」の違い
インフレ時代では、住宅を所有している人と賃貸で暮らす人では、環境が変化する可能性があります。
【住宅ローン利用者の場合】
住宅ローンは、基本的に契約時の借入額が決まります。
例えば、3,000万円の住宅ローンを組んだ場合、将来的に物価が上昇しても借入元本そのものは変わりません。
一方で、給与や物価が上昇していく環境では、借入金額の実質的な負担感が変化する可能性があります。
【賃貸住宅の場合】
賃貸の場合、家賃は市場環境によって変化します。
もちろん、すぐに大幅上昇するとは限りません。
しかし、建築費・維持費・管理費・土地価格などが上昇すれば、将来的に家賃へ影響する可能性があります。
3.ただし、「家なら何でも資産になる」は間違い
ここで注意しなければならないことがあります。
それは、不動産ならすべて価値が上がるわけではないということです。
インフレ時代でも、価値が維持される住宅と価値が下がる住宅があります。
その違いは何でしょうか?
資産価値が残りやすい住宅の特徴①立地
不動産で最も重要と言われるのが、立地です。
なぜなら、土地は移動できないからです。
資産価値が維持されやすい住宅には、以下のような特徴があります。
・駅から近い
・交通アクセスが良い
・生活施設が充実している
・人気エリアである
・人口需要がある
建物は時間とともに古くなります。
しかし、良い立地は長期間評価されやすい傾向があります。
資産価値が残りやすい住宅の特徴②需要がある間取り
住宅は、自分が満足するだけではなく、将来購入する人がいるかも重要です。
・一般的なファミリー向け間取り
・使いやすい動線
・無理のない広さ
などは、中古市場でも需要があります。
一方で、個性的すぎる間取りや、使う人を限定する住宅は売却時に苦労する可能性があります。
資産価値が残りやすい住宅の特徴③管理状態が良い
特にマンションでは、管理状態が重要です。
同じ築年数でも、管理が良いマンションと管理が不十分なマンションでは、将来的な評価が変わります。
確認すべきポイントは、
・修繕計画
・修繕積立金
・管理組合の運営状況
・建物メンテナンス
などです。
築年数だけで判断することは危険です。
4.インフレ時代は「安い家」より「価値が残る家」を選ぶ
住宅購入では、価格を重視する方が多くいます。
もちろん、予算管理は非常に重要です。
しかし、インフレ時代では単純に安い住宅を選ぶことが必ずしも得とは限りません。
いくら安く購入できても将来売却できない住宅の場合、資産としての価値は低くなります。
重要なのは、購入価格ではなく購入後の価値です。
【お金持ちはインフレ時代に不動産を見る目が違う】
資産を多く持つ人ほど、住宅を単なる消費として考えません。
見るポイントは、
・将来売れるか
・需要が続くか
・価値が維持されるか
高級住宅を買うことが目的ではありません。
「価値があるものを所有する」という考え方をしています。
これは、一般の住宅購入でも参考になります。
5.これから家を買う人が考えるべきこと
インフレ時代の住宅購入では、以下の視点が重要です。
①住宅ローンの返済だけを見るのではなく資産価値を見る
毎月の返済額だけを見ると、安い住宅を選びたくなります。
しかし、将来的な売却まで考えるなら、資産価値も確認する必要があります。
②今の価格ではなく将来価値を見る
不動産は、購入時がゴールではありません。
10年後、20年後に売却する可能性もあります。
その時、誰が欲しがる住宅なのか?そこを見ることが重要です。
③専門家に相談する
不動産価格は、単純な計算だけでは判断できません。
地域ごとの需要・人口動向・将来性・市場の変化などを見る必要があります。
地域を知る不動産会社へ相談することで、より正確な判断ができます。
6.売却する人にとってもインフレは重要なポイント
インフレ時代では、購入だけではなく売却にも影響があります。
住宅価格が上昇している場合でも、すべての住宅が同じように評価されるわけではありません。
重要なのは、「市場で欲しいと思われる住宅か?」です。
売却を考える場合も現在の価格だけではなく、購入希望者の動向を見る必要があります。
こう見てくると、今の時代の進み方は乱高下とも見て取れます。
そうした動きが早くもある状況の中で、何をどう考えるのか?が、鍵となる。
なかなかにして難しいのですが、不動産は住むものでありつつも資産としての背景も持てる部分が、
特にお金を持っている方からすれば、使いやすい商品となってもいるのです。
言うてもマイホームとしての考えでは、そこまで必死こく必要はないかと思います。
ですが、高い買い物ゆえ、そうしたものであると分かっている方が、
分かっていない人よりは、いつか差が出てくるかともおもいますよ?
そんな時代は嫌ですけどねぇ、、、
記:ファイナンシャルプランナー 菊池