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Vol.400 建物完成後、1年以上売っている未入居物件。

不動産のアレコレ

もはや新築とは言えない未入居の謎。



「新築なのに、数年間ずっと販売している」

「完成しているのに誰も住んでいない家がある」

「未入居ならお得なのでは?」


住宅探しをしていると、このような物件を見かけることがあります。


一般的に、「新築」と聞くと、完成したばかりで誰も住んでいない最新の住宅というイメージがあります。


しかし、不動産市場では、完成後しばらく経過しても購入者が決まらず、

「未入居」として販売されている物件も存在します。


このような物件を見ると、

「なぜ売れていないのだろう?」

「何か問題があるのでは?」

と不安になる方も多いでしょう。


一方で、新築同様の住宅を通常より有利な条件で購入できる可能性もあります。


つまり、未入居物件は、「絶対に避けるべき物件」でも、「必ずお買い得な物件」でもありません。

重要なのは、なぜ残っているのか?購入前に何を確認するべきなのか?を理解することです。


今回は、「未入居のまま数年経過した物件を購入するメリット・デメリット」

について詳しく解説します。



1.そもそも未入居物件とは?


まず、未入居物件とはどのような住宅なのでしょうか?


一般的には、

・完成している

・誰も居住していない

・販売中の住宅

を指します。


しかし、注意したいのは、「完成から何年経過しても新築として販売できる」わけではないということです。


不動産表示では、新築住宅とは「建築後1年未満で、なおかつ未入居の住宅」とされています。


つまり、完成から1年以上経過した未入居住宅は、法律上は新築ではなく、

「未入居中古住宅」などとして扱われます。


ただし、実際の販売現場では、完成後しばらく売れ残った住宅でも、

「未入居物件」・「完成済み未入居」という表現で紹介されることがあります。



2.なぜ新築未入居のまま数年間売れないのか?


「誰も住んでいない新しい家なのに、なぜ売れないのか?」と思う方もいるでしょう。

しかし、売れ残る理由にはさまざまな事情があります。



理由①価格設定が市場と合っていなかった

最も多い理由が、販売価格の問題です。

新築分譲住宅では、販売開始時の価格設定が重要になります。


しかし、

・周辺相場より高い

・競合物件より魅力が弱い

・購入層の予算と合わない

場合、問い合わせが少なくなることがあります。


建物自体に問題がなくても、価格とのバランスが合わなければ売却は進みません。



理由②立地条件に弱点がある

不動産では、立地が非常に重要です。

例えば、

・駅から遠い

・バス便のみ

・周辺施設が少ない

・坂道が多い

などの場合、建物が新しくても購入検討者が限られることがあります。


住宅購入では、「新しさ」だけではなく、「毎日の暮らしやすさ」が重視されます。



理由③間取りや設備が購入層に合わなかった

住宅には、万人に好まれる間取りはありません。


・部屋数が多すぎる

・リビングが狭い

・収納が少ない

・特殊な間取り

などは、一部の購入者には魅力でも、一般的な需要とは合わない場合があります。



理由④販売タイミングの問題

不動産はタイミングも重要です。

同じ物件でも、住宅ローン金利・市場環境・周辺の販売状況によって売れやすさは変わります。

販売開始時期が悪く、そのまま長期間残ってしまうケースもあります。



3.未入居物件を購入するメリット


では、未入居物件にはどのような【メリット】があるのでしょうか。


メリット①新築同様の状態を購入できる

最大のメリットは、誰も住んでいない状態で購入できることです。

中古住宅では、前所有者の生活感・使用感・傷みがあります。


しかし未入居物件なら、

・キッチン

・浴室

・床

・壁

などが基本的に未使用です。

中古価格で新築同様の住宅を購入できる場合、大きな魅力になります。



メリット②価格交渉できる可能性がある

完成後長期間販売されている物件では、価格調整が行われる場合があります。


売主側としては、

・維持管理費

・広告費

・資金負担

などが継続します。


そのため、早期売却を希望するケースがあります。

結果として、新築時より価格が下がっている場合があります。



メリット③実際の建物を確認できる

建築前販売の新築住宅では、図面やモデルルームで判断する事も多いでしょう。

しかし完成済み未入居物件なら、実際の建物を見ることができます。


確認できるポイントは、

・日当たり

・眺望

・収納量

・部屋の広さ

・周辺環境

です。


イメージと現実の違いを確認できる点はメリットです。



メリット④すぐ入居できる

完成済み物件の場合、契約後の入居までが早いことがあります。

注文住宅のように、土地探し・設計・建築期間を待つ必要がありません。




新築未入居物件を購入する【デメリット】

一方で、注意点もあります。


デメリット①「新築」という特別感は薄れる

完成から時間が経過すると、法律上の新築ではありません。

そのため、「誰よりも最初に住む新築住宅」という価値を重視する方には、

物足りない場合があります。



デメリット②設備保証やアフターサービスの確認が必要

新築住宅には、住宅設備保証やアフターサービスがあります。

しかし、完成から時間が経過した未入居物件では、保証開始時期や内容を確認する必要があります。


購入前には、

・保証期間

・売主の対応

・設備保証

を必ず確認しましょう。



デメリット③住宅ローン控除などの条件確認が必要

住宅購入時には、税制上の制度を利用できる場合があります。

しかし、築年数・登記時期・住宅性能などによって条件が変わる場合があります。

「新築だから当然使える」とは限りません。

購入前に確認することが重要です。



デメリット④売れ残った理由を確認する必要がある

最も重要なのは、「なぜ今まで売れなかったのか?」を確認することです。

例えば、価格だけが理由なら問題ありません。


しかし、

・騒音問題

・周辺環境

・日当たり

・特殊な条件

などが原因の場合、購入後に後悔する可能性があります。



4.新築未入居物件を購入するときのチェックポイント


購入前には、以下を確認しましょう。


①販売期間

いつ完成し、どれくらい販売されているのか?


②価格推移

販売開始時から、価格変更があったのか?


③周辺相場との比較

同じエリアの中古住宅や新築価格と比較する。


④建物状態

未入居でも、換気不足・設備劣化・外部汚れなどが発生する場合があります。


⑤管理状態

マンションの場合は、共用部分の管理状態も確認しましょう。

誰も住んでいなくても、建物全体の管理状況は重要です。



5.不動産会社に確認するべき質問


購入前には、不動産会社へ以下を確認しましょう。


「なぜ長期間売れていないのですか?」

「価格変更の履歴はありますか?」

「周辺相場と比べて適正価格ですか?」

「保証内容はどうなっていますか?」


良い不動産会社であれば、メリットだけではなく注意点も説明します。




新築未入居物件は「理由を確認すれば狙い目になる」


新築未入居のまま数年経過した物件は、一見すると不安に感じるかもしれません。


しかし、売れ残っている理由が明確で、価格や条件が納得できるものであれば、

非常に魅力的な購入選択肢になります。


メリットとしては、新築同様の状態・価格交渉の可能性・実物確認できる・早期入居できる

という点があります。


一方で、保証内容・売れ残った理由・税制条件などは必ず確認する必要があります。



住宅購入で大切なのは、「新築だから安心」・「売れ残りだから危険」と決めつけることではありません。


その住宅が、自分たちの生活に本当に合っているか?価格は適正なのか?将来的な資産価値はあるのか?

を、自身でキチンと判断することです。



今の市場でも、こうした物件がちらほら目に付く様になってきました。


時代なのか、タイミングなのか。。。

売主さんとしては、心苦しいでしょう。。。


数年経過しているという点では、見方によってメリデメが変わってきます。


一概にNGと決めつけるのは、実際に現地をご覧になってからでも遅くないと思いますよ?



記:宅地建物取引士  原田


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