
Vol.93 二世帯住宅、売るのは本当に難しい?
二世帯住宅、売るのは本当に難しい?
~現代の需要と供給のリアル~
不動産の世界で、売主さんがよく口にする“あるある”なセリフ。
「二世帯住宅って売りにくいんでしょ?」問題。
確かに、二世帯住宅には独特のクセがあります。
でも実は、“売れない”のではなく、“売り方”と“相手”が重要なのです!
今回は、二世帯住宅の売却についてその難しさの正体と、
実はメリットもあるよという視点でご紹介します!
そもそも二世帯住宅とは?
基本的に、次のような家を「二世帯住宅」と呼びます。
親世帯と子世帯など、2つの家族が同じ建物に暮らす
キッチン・バス・トイレ・玄関の一部または全部を共有、もしくは完全分離
タイプとしては主に3つ
完全同居型:水回りや玄関すべて共有
一部共用型:玄関は一緒、水回りは分離 など
完全分離型:二つの家が“くっついた”構造。玄関も別々
この“仕様の違い”が、売却時のハードルを大きく変えるのです。
なぜ「売りにくい」と言われるのか?
【理由1】購入希望者が限定的
→「二世帯で住みたい」と思っている層がそもそも少ない。
【理由2】間取りが独特すぎる
→LDKが2つ、トイレが3つ、子世帯用のミニ玄関…など、一般的な家庭にはオーバースペック。
【理由3】リフォームコストが読みにくい
→「一般住宅に戻したい」と思っても、間取りの修正が大がかりになる。
…と、ここまで読んで、「やっぱ無理じゃん」と思った方、ご安心ください。
逆に!二世帯住宅が求められるケースも
意外とあるんです。 「二世帯住宅がドンピシャでハマる買主」
たとえば、
・高齢の親と同居予定のファミリー
・子世帯の独立性を保ちたい親世帯
・親が介護状態にあり近くに住みたいが、生活リズムは別にしたい人
・投資目的で二つの住戸を賃貸にしたい人
・在宅ワーク&店舗併用にしたい自営業者
このように、“ニッチなニーズ”に刺さる物件なのです。
特に近年は、「在宅ワーク」「親との距離感を保った同居」などの価値観が広がり、
二世帯住宅の再評価も進んでいます。
売却時に気をつけたいポイント
では、実際に売却する際に大切なポイントを紹介しましょう。
①どのタイプか明確にする
→完全分離なのか、キッチンだけ分かれているのかなど、構造を整理して説明することが大事。
②“多用途住宅”として提案する
→「二世帯住宅」ではなく、「在宅ワーク対応住宅」「投資用2戸建て」など、柔軟な視点で訴求する。
③共用部分の状態チェック
→玄関や階段など共用する空間が傷んでいないか、買主の印象を左右する重要ポイント。
④リフォーム可能性を伝える
→「ここを抜けば広いLDKになります」といった“変身可能性”をアピールするのも有効。
売却成功のための“工夫”
【仲介会社選びが命】
→経験豊富な不動産会社ほど、こうした“特殊物件”の扱いにも慣れています。
【内覧時のシナリオ作り】
→親世帯ゾーン・子世帯ゾーンを「実際にこう使えます」と案内するのが効果的。
【写真撮影も二軒分】
→2階建ての二世帯の場合、それぞれのLDK・水回りを“別の家”として紹介した方がわかりやすい!
【「住みながら貸す」選択肢も】
→完全分離型なら、1階だけ貸して2階に住むなどの選択肢も。買主への魅力アップ!
ユニークだからこそ“価格がブレる”
実は、二世帯住宅は査定が難しい物件の代表例です。
「通常の戸建て相場」より割高?割安?
「賃貸併用住宅」としての価値?
リフォーム代を加味すべき?
→答えは、「買う人によって違う」が正解。
だからこそ、相場通りの価格で売るよりも、「刺さる買主に出会うこと」が売却成功の鍵です。
中には、取得した・建築した当時の価格が意識されていて、
現在の価値に見合わないと嘆く売主さんもいらっしゃいます。
これは、2世帯住宅に限った話ではありませんが、
それが不動産なので仕方ないとしか言いようがないのも現実です。。。
売れにくいけど、売れないわけじゃない!
結論。
二世帯住宅は“売れにくい”と感じられることもありますが、実際には、
・ターゲットを明確にすれば刺さる
・柔軟な訴求で価値が伝わる
・用途を広く捉えれば可能性が広がる
つまり、売却に工夫が必要なだけで、決して無理ではありません!
「ちょっとクセのある物件ほど、ハマれば強い」
それが不動産の面白さでもあります。
二世帯住宅をお持ちの方は、ぜひその“クセ”をポジティブに変換して、
買主にとってのメリットとして伝えてみてくださいね!
記:宅地建物取引士 原田