
Vol.152 ロフトって制限ある?おススメの使い方をご紹介
ロフトって制限ある?おススメの使い方をご紹介
「ロフト付き物件」と聞くと、ちょっとワクワクしませんか?
子どもの頃に憧れた“秘密基地”のような空間
大人になってからも「なんだかお得な気がする」と惹かれる人は多いものです。
ただし、ロフトには「建築基準法上の制限」があることをご存じでしょうか?
見た目は部屋でも、実は“部屋ではない”扱いになるのがロフトの特徴です。
この記事では、不動産購入を検討している方に向けて、
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■ロフトの制限ってどんなもの?
■実際に生活する上でのメリットと注意点
■おススメの使い方
を、解説していきます。
1. ロフトってそもそも何?
ロフトとは、天井の高い空間を利用して設けられた中二階のようなスペースを指します。
「屋根裏部屋」と混同されがちですが、法律的にはちょっと違います。
ロフトは、あくまで “収納やちょっとした利用” を目的とした付加的な空間。
建築基準法上は「居室」とは認められないことがポイントです。
2. ロフトの制限とは?
「居室」扱いにならないために、建築基準法で定められている制限があります。
代表的なものを紹介します。
(1) 天井の高さ
ロフトの天井の高さは1.4メートル以下であることが条件。
つまり、大人が立って歩ける高さにはできません。
「ちょっと中腰で移動」、「座って使う」程度の空間になります。
(2) 床面積の制限
ロフトの床面積は、下の階の1/2未満でなければいけません。
例えば、1階が20㎡ならロフトは10㎡未満。
これ以上広くすると「もう一部屋」と判断され、建築確認上の延べ床面積にカウントされてしまいます。
(3) はしご・階段の条件
ロフトへのアクセスは、固定階段ではなく取り外し可能なはしごや、簡易的な階段が多いです。
これは「居室ではない」ことを強調するための工夫。
がっつり普通の階段をつけると“二階”とみなされる可能性があります。
(4) 採光や換気の制約
ロフト自体は居室ではないため、採光や換気の基準はありません。
ただし、実際に使うには、「窓がないと暑い」、「換気できずに湿気がこもる」などの不便があるため、
設計段階で工夫されている場合もあります。
3. ロフトのメリット
(1) 空間を有効活用できる
天井の高さを活かして「もうひと部屋」感覚のスペースを作れるのは大きな魅力。
ワンルームやコンパクトな戸建でも、ロフトがあるだけで実際の生活スペースがぐんと広がります。
(2) 秘密基地感がある
子どもはもちろん、大人でも「自分だけの小さなスペース」としてロフトに特別感を感じる人は多いです。
“非日常感”を味わえる空間として人気があります。
(3) 不動産的には「床面積に含まれないおまけ」
ロフトは延べ床面積に算入されないため、容積率の制限を超えずに空間を増やせます。
つまり「建築基準法上はワンルーム、でも実質的には1.5部屋」というような“お得感”があるのです。
4. ロフトのデメリット・注意点
(1) 夏は暑い!
屋根に近いため、夏場はサウナのように暑くなります。
エアコンの風も届きにくく、断熱や換気がしっかりしていない物件では「物置にしか使えない」という声も。
(2) 上り下りが不便
はしごや急な階段を毎日上り下りするのは意外と大変です。
荷物を持って移動するのも難しく、高齢者や小さな子どもには危険が伴います。
(3) 居室扱いされない=住宅ローンや税制には含まれない
ロフトは法律上の床面積に含まれないため、固定資産税評価などではプラスに働かないケースも。
「実質的に広いのに、資産価値として評価されにくい」という側面があります。
5. ロフトのおススメ活用法
では、実際にロフトをどんなふうに使うと便利なのでしょうか。おすすめの活用法を紹介します。
(1) 収納スペースとして
オフシーズンの布団や衣類、アウトドア用品などを収納するのに最適。
「普段は使わないけど、取っておきたい」荷物を置く場所として重宝します。
(2) 子どもの遊び場に
子どもにとってロフトは最高の秘密基地!
ただし、安全面には配慮し、落下防止の柵や柔らかいマットを敷くなど工夫が必要です。
(3) 書斎や趣味部屋に
コンパクトながら集中できる空間なので、
テレワーク用の小さな書斎や、読書・楽器練習・模型作りといった趣味部屋に向いています。
(4) ゲスト用の寝床に
来客時にロフトをベッドスペースとして使うのもアリです。
ただし、夏は暑い・冬は寒い・はしごが危険、といったデメリットを理解した上で利用しましょう。
6. ロフト付き物件を検討するときのチェックポイント
不動産購入時にロフト付き物件を検討するなら、以下を確認しましょう。
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■断熱・換気の性能は十分か?
■はしごや階段の安全性はどうか?
■照明やコンセントの位置は便利か?
■実際に使うイメージが湧くか?
モデルルームでは「お得感」に目を奪われがちですが、実際の生活で無理なく使えるかを考えることが重要です。
ロフトは「制限があるからこそ魅力的」な空間です。
高さや面積に法律上の縛りがあるため、居室としては認められませんが、
その分“おまけの空間”としてうまく活用できます。
ただし、暑さ・上り下りの不便さ・資産価値への影響など、現実的なデメリットも忘れてはいけません。
ロフトを「収納スペース」と割り切るのか、「秘密基地」として楽しむのかはあなた次第。
不動産購入時には「ロフト=お得」だけでなく、
実際の暮らしで役立つかどうかを冷静にチェックしてみてください。
記:ライフプランナー 武井