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Vol.175 毎月の住宅ローンの支払いが辛い…

住宅ローンのアレコレ

毎月の住宅ローンの支払いが辛くなったら…早急にやるべきこと

― 放置せず、今すぐ動くことが再スタートへの第一歩 ―



「ボーナスが減ってローンがきつい…」


「物価が上がって生活費が苦しい…」


「このまま支払いを続けられるか不安…」


そんな住宅ローンの悩みを抱えている方は、実はとても多いです。



長期にわたって返済していく住宅ローンは、家計の変化や景気の影響を受けやすく、


途中で「支払いが厳しくなる」というのは決して珍しいことではありません。



しかし、問題は“支払いが辛い”ことではなく、“放置してしまう”ことです。



住宅ローンの延滞を放置すると、最悪の場合「競売」という形で住まいを失うリスクもあります。


そうなる前に、早い段階でできることを知っておくことが大切です。



今回は、「住宅ローンの支払いが厳しくなったときにやるべきこと」を、順を追って解説します。




1. 「支払いが厳しい」と感じたら、まず冷静に現状を整理する


支払いが苦しいと感じたとき、まずやるべきことは「数字で現状を把握する」ことです。


感情的になって「もうダメだ」と思い込む前に、次のような点を整理してみましょう。


現在の家計収支を見直す

  • ■手取り月収はいくらか

  • ■生活費・光熱費・教育費など、毎月の支出はいくらか

  • ■ローンの支払い比率はどの程度か(目安:手取りの25〜30%以内が理想)

もし住宅ローンの返済が収入の40%を超えている場合、「家計的に無理をしている」状態と言えます。



ボーナス払いの有無を確認

ボーナス払いがある場合、ボーナス減少で支払い負担が一気に重くなることがあります。

銀行に相談すれば、ボーナス払いを月々の支払いに平準化するリスケジュール(返済条件の変更)が可能な場合もあります。



滞納の有無を確認

すでに1〜2回支払いを遅れている場合、早めに金融機関へ連絡することが極めて重要です。

「まだ大丈夫」と放置すると、数か月後には金融機関の“代位弁済”や競売手続きに進んでしまう可能性があります。




2. 最優先は「金融機関に相談」すること


住宅ローンの支払いが難しくなったら、まず最初にやるべきは、借入先の銀行や金融機関に連絡することです。



銀行は「相談すれば柔軟に対応してくれる」こともある

「返済が厳しいなんて言ったら、家を取られるのでは…」と不安に思う方も多いですが、

実は銀行側も、できるだけ競売などに発展させたくないのが本音です。

なぜなら、競売になると銀行側も大きな損失を被るため、

できるだけ「支払いを続けられる方法」を一緒に探そうとするのです。


【銀行に相談するときに伝えること】

  1. ■これまでの返済状況

  2. ■支払いが厳しくなった理由(収入減、病気、転職など)

  3. ■現在の収支見込みと今後の改善見通し

これらを正直に伝えることで、銀行側も具体的な提案をしてくれます。



銀行から提案されることが多い「返済条件の変更(リスケジュール)」

たとえば、以下のような対応が検討されます。

  • ■返済期間を延ばして月々の返済額を減らす

  • ■一定期間、元金の支払いを止めて利息のみ払う

  • ■ボーナス払いを廃止して月々払いに一本化

これらの変更により、毎月の負担が数万円単位で減ることもあります。
「もう払えない」と思っても、実は“払えるように調整できる”ケースは多いのです。




3. 家計の中でできることを見直す


金融機関に相談しながら、同時に「家計の見直し」も進めましょう。


固定費を見直す

  • ■通信費や保険料のプランを再検討

  • ■サブスクサービスを整理

  • ■車の維持費(ガソリン・駐車場)を見直す

毎月1万円の削減でも、年間12万円の違いになります。


収入アップの道を探す

  • ■副業・在宅ワークの活用

  • ■不要品の売却や空き部屋の活用(民泊や賃貸)

一時的でも収入源を増やすことで、支払いの継続が可能になる場合もあります。




4. 「売却」という選択肢を早めに検討する


もし家計や収入の見通しを立てても返済の目途が立たない場合、“売却”という選択肢を前向きに検討する時期です。



早めの売却が“手遅れ”を防ぐ

住宅ローンを滞納し始めると、早い場合で3〜6か月程度で競売手続きに進んでしまいます。

競売になると、市場価格よりも2〜3割安い金額で売られてしまうことが多く、
結果的に多くのローンが残ってしまうケースもあります。

そのため、まだ余裕があるうちに「任意売却」や「通常売却」を検討することで、損失を最小限に抑えられます。


【任意売却とは?】

任意売却とは、金融機関の同意を得て、競売になる前に不動産を売却する方法です。

  • ■市場価格に近い金額で売れる

  • ■競売よりも残債を少なくできる

  • ■引っ越しの時期や条件を調整できる

金融機関も「少しでも多く回収できる方が良い」ため、任意売却を認めるケースは多いです。



通常の売却で完済できるケースもある

現在の不動産市況はエリアによっては高止まりしており、ローン残高より高く売却できるケースもあります。

不動産会社に査定を依頼してみることで、「もし売ったらどうなるか」を具体的に把握できます。




5. 滞納を放置するとどうなる?“競売”の流れを知っておこう


万が一、支払いを滞納して放置してしまうと、次のような流れで進んでしまいます。



【競売までの一般的な流れ】

段階内容
1〜2か月目金融機関から督促状が届く
3〜4か月目「期限の利益喪失通知」→残金一括返済の請求
5か月目以降保証会社による「代位弁済」発生
6か月〜1年裁判所を通じた「競売開始決定通知」
1年以内競売実施、強制退去の可能性

競売が始まると、もう本人の意思で止めることはほぼ不可能になります。


だからこそ、「厳しいかも」と思った時点で、すぐ動くことが何より大切です。




6. 専門家への相談で道が開ける


住宅ローンの問題は、1人で抱え込むと出口が見えなくなりがちです。


しかし、不動産会社や住宅ローンアドバイザー、司法書士・税理士などに相談することで、


最適な解決方法が見つかることが多いです。



【不動産会社に相談するメリット】

  • ■現在の自宅の査定価格を把握できる

  • ■任意売却やリースバックなど、複数の選択肢を提示してもらえる

  • ■競売になる前に最適な解決策を一緒に考えてもらえる


特に「リースバック」は、家を売却した後も賃貸として住み続けられる制度で、


住まいを失わずに再出発できるケースもあります。




7. 行動が早ければ「再スタート」は必ず切れる


住宅ローンの支払いが厳しくなると、「恥ずかしい」、「何とかなるだろう」と我慢してしまう方が多いです。


しかし、放置すればするほど選択肢は減っていきます。


「支払いが厳しい」と感じたときこそ、“まだ間に合う”タイミングです。



今すぐできる3つの行動

■金融機関へ相談する(返済条件の変更が可能)

■家計を見直す(固定費・収入バランスを整理)

■不動産会社に査定・相談する(売却・任意売却の検討)



早めの行動が、あなたと家族の暮らしを守ります。


不安を感じたら、まずは一歩。


信頼できる不動産会社や専門家に相談してみてください。



記:ファイナンシャルプランナー 菊池


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