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Vol.209 相続税が発生するラインと節税テクニック

不動産にかかわるノウハウ

相続税が発生するラインと節税テクニック

― 不動産を持つ人必見!プロが教える賢い相続対策 ―




「家や土地を相続するとき、相続税はどのくらいかかるの?」


「節税できる方法はあるの?」


相続は突然やってくるケースも多く、事前に知識を持っておくことが非常に重要です。


特に不動産を所有している方は要注意。


不動産の評価方法や節税テクニックを知らないまま相続すると、思わぬ税負担が発生することもあります。



今回は、


■相続税が発生するライン

不動産評価の基本

プロが教える節税テクニック

売却・活用による相続対策


を分かりやすく解説します。




1. 相続税がかかる人・ラインを知ろう


まずは基本的なことから。相続税が発生するのは、相続財産が基礎控除を超えた場合です。


▼ 基礎控除額の計算式


例1:法定相続人が妻と子2人の場合

  • 法定相続人の数:3人

  • 基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 3人

  • 基礎控除額 = 3,000万円 + 1,800万円 = 4,800万円


→ この場合、相続財産の合計が4,800万円を超えると相続税が発生します。


ポイント:現金だけでなく、不動産や株式、貴金属も合計して計算します。




2. 不動産の評価方法


不動産の相続税評価額は、路線価方式または固定資産税評価額をベースに計算されます。


▼ 土地の評価


路線価方式(都市部)

国税庁が公表する路線価 × 面積

接道の状況や形状による補正もあり


倍率方式(地方・路線価なし)

固定資産税評価額 × 倍率



▼ 建物の評価

固定資産税評価額が基準

築年数や構造によって減価償却が適用される場合あり


注意:評価額は市場価格とは異なります。

相続税申告では「相続税評価額」で計算されるため、売却価格より高く課税されるケースもあります。




3. 相続税の税率・計算例


相続税は、法定相続分ごとに課税されます。税率は累進課税で10%~55%です。


課税価格(法定相続分)税率 控除額
1,000万円以下 10%    0
3,000万円以下      15%  50万円
5,000万円以下 20%  200万円
1億円以下 30%  700万円
2億円以下 40%  1,700万円
3億円以下 45%  2,700万円
6億円以下 50%  4,200万円
6億円超 55%  4,700万円


例:法定相続分1,500万円の場合

税率:15%

控除額:50万円

相続税 = 1,500万円 × 15% − 50万円 = 175万円


この計算を法定相続分ごとに行い、合計が納付額になります。




4. 不動産を活かした節税テクニック


相続税は現金だけでなく不動産も含めて課税されます。


上手に不動産を活用することで、節税が可能です。



▼ ① 小規模宅地等の特例

居住用・事業用の土地に適用

最大80%の評価減が可能

条件:被相続人または相続人が継続して居住・事業をしていた場合


例:評価額5,000万円の土地 → 80%減 → 相続税評価額は1,000万円に



▼ ② 贈与による生前対策

年110万円までの贈与は非課税(暦年贈与)

相続開始前3年以内の贈与は相続税に加算される点に注意



▼ ③ 不動産投資用物件の活用

賃貸中の住宅やマンションは、借地権割合・貸家建付地割合で評価

相続税評価額を下げながら収益も得られる



▼ ④ 生命保険の非課税枠を活用

相続人1人あたり5000万円 × 法定相続人の人数まで非課税

現金で納税資金を準備しやすい




5. 共有名義・分割の工夫


家や土地を相続する場合、複数人で共有名義にすることで節税効果が出る場合があります


土地を複数人で分けることで、小規模宅地の特例を最大限活用

分割方法によっては評価額を下げ、相続税を軽減可能


注意:共有名義は売却や管理が複雑になるため、専門家のアドバイスが必須です。




6. 相続税を節税しつつ安全に売却するポイント


不動産を相続したら、節税だけでなく売却戦略も重要です。


▼ ステップ1:評価額を正確に把握

路線価・固定資産税評価額を基に税額シミュレーション

税理士や不動産会社と相談



▼ ステップ2:売却か活用かを判断

相続税が高額になる場合 → 売却して現金化

長期保有で賃貸収入を得る場合 → 賃貸運用と節税を組み合わせる



▼ ステップ3:売却時のタイミングを考慮

不動産市況が良い時期に売ると、高額売却+相続税対策が両立可能

空室や老朽化が進む前に売却するのが安心




7. 専門家の活用がカギ


相続税の計算や節税対策は複雑で、間違えると大きな損失につながります。

税理士:税額計算・贈与・生前対策

不動産会社:評価額算定・売却戦略・活用方法

弁護士:相続争い・遺産分割協議のサポート


プロに相談することで、安心して節税・売却・活用が可能です。




8. 相続税対策は不動産とセットで考える


相続税は基礎控除を超えた財産に課税される

不動産評価は市場価格と異なるため注意

小規模宅地等の特例や贈与、生前対策で節税可能

売却・賃貸活用と組み合わせて総合的に検討する


不動産は、節税にも売却戦略にも活用できる資産です。


相続税の知識とプロのアドバイスを組み合わせることで、安心・安全・賢い相続が可能になります。




当社では、相続税対策を見据えた不動産活用・売却プランを提案しています。


適正価格での売却

賃貸活用による節税

相続税の試算・シミュレーション



不動産をどう活かすかで、相続後の生活や資産形成が大きく変わります。


プロと一緒に、あなたに最適な相続・売却戦略を考えましょう。



記:ファイナンシャルプランナー 菊池


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