
Vol.409 災害が資産価値を変える時代に。
不動産価格は「立地」だけでは決まらない!
「駅から近いから資産価値が高い」
「人気エリアだから将来も安心」
以前の不動産選びでは、このような考え方が一般的でした。
もちろん現在でも、駅距離・交通利便性・生活環境は住宅価格を決める大きな要素です。
しかし近年、不動産市場で重要視される項目が変化しています。
それが、災害リスクです。
地震・台風・集中豪雨・河川氾濫・土砂災害・液状化。
日本は自然災害が多い国です。
そして近年では、購入者自身が住宅を選ぶ際に、「この場所は災害に強いのか?」を確認する時代になりました。
以前なら、「便利な場所だから」という理由で選ばれていたエリアでも、
災害リスクが知られることで、住宅価格や売却のしやすさに影響するケースがあります。
つまり現在の不動産市場では、災害リスクが資産価値を左右する重要な時代になったと言えます。
今回は、不動産会社の視点から、災害と不動産価値の関係について詳しく解説します。
1.なぜ災害リスクが不動産価格に影響するようになったのか?
昔から、「土地選びは重要」と言われてきました。
しかし現在は、単なる立地条件だけではなく、土地の安全性まで確認されるようになっています。
その理由はいくつかあります。
①ハザードマップが一般化した
以前は、購入者が土地のリスクを詳しく知ることは簡単ではありませんでし
しかし現在では、各自治体がハザードマップを公開しています。
インターネットで、
・洪水リスク
・土砂災害リスク
・津波浸水想定
・液状化リスク
などを誰でも確認できます。
つまり、購入者が事前に土地のリスクを把握できる時代になりました。
情報が公開されたことで、災害リスクの高い場所と低い場所の違いが、以前より明確になっています。
②住宅ローン審査でも影響する場合がある
住宅購入では、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。
金融機関は、融資する際に物件の担保価値を確認します。
将来的に売却しにくい可能性がある住宅は、評価に影響する場合があります。
もちろん、災害リスクだけで住宅ローンが決まるわけではありません。
しかし、「将来売れるか?」という視点では、災害リスクは無視できない要素になっています。
③購入者の意識が変化している
近年、住宅購入者は、価格や広さだけではなく、安心して暮らせるかを重視しています。
特に、子育て世帯・高齢者世帯・長期間住む予定の方ほど災害リスクへの関心が高まっています。
「安いから買う」ではなく、「安心して住めるから買う」という考え方が広がっています。
【災害リスクによって価格差が生まれる理由】
同じ市内でも、不動産価格には大きな差があります。
例えば、駅距離も近く、商業施設も便利。しかし、災害リスクが異なる。
このような場合、価格差が発生することがあります。
なぜでしょうか??
2.同じエリアでも土地の評価は違う
不動産では、住所が同じ市町村でも土地条件によって評価が変わります。
高台・低地・河川近く・斜面地・埋立地などでは、災害リスクが異なります。
そのため、横浜市だから安心!川崎市だから危険!という単純な判断はできません。
同じ市内でも、数百メートル違うだけで条件が変わることがあります。
①水害リスクと不動産価値
近年、特に注目されているのが、水害リスクです。
集中豪雨による、河川氾濫・内水氾濫などは、都市部でも発生しています。
以前は、「川の近くだから危険」という単純な考え方でした。
しかし現在では、雨水処理能力・土地の高さ・周辺地形・排水設備なども重要になります。
②土砂災害リスクと住宅価値
神奈川県では、丘陵地や坂の多い地域も多くあります。
眺望が良い。
静かな環境。
というメリットがある一方で、斜面地では土砂災害リスクを確認する必要があります。
特に注意したいのは、
・擁壁
・崖
・高低差
です。
古い擁壁の場合、将来的な維持管理費が問題になることもあります。
③液状化リスクと資産価値
地震時に注意したいものが、液状化です。
液状化とは、地震によって地盤が一時的に液体のような状態になり建物や道路へ影響を与える現象です。
特に、埋立地や地盤条件によっては確認が必要になります。
住宅購入では、建物だけを見るのではなく土地の状態を見ることが重要です。
3.災害リスクが低い住宅は将来売りやすい?
不動産売却では、購入希望者が多い住宅ほど売りやすくなります。
では、どのような住宅が選ばれやすいのでしょうか?
ポイントは、「多くの人が安心して購入できるか?」です。
例えば、
・交通利便性が良い
・生活環境が良い
・災害リスクが低い
住宅は、将来的にも需要が期待できます。
【これから家を買う人が確認すべきポイント】
住宅購入前には、以下を確認することが重要です。
①ハザードマップを見る
まず基本となるのが、自治体のハザードマップ確認です。
②現地を見る
インターネット情報だけでは分からないことがあります。
実際に現地を見ることで、
・道路の高低差
・周辺環境
・排水状況
・土地の形状
などを確認できます。
③将来売却することも考える
購入時には、「自分が住むこと」だけを考えがちです。
しかし、人生では、転勤や相続、住み替えなどで売却する可能性があります。
その時、買いたい人がいる住宅なのか?という視点も重要です。
4.不動産会社が見る「本当に強い住宅」とは?
不動産会社が評価する住宅は、単純に高級な住宅ではありません。
重要なのは、長期間需要があるかどうかです。
・災害リスクが低い
・交通アクセスが良い
・管理状態が良い
・周辺環境が安定している
こうした住宅は、市場でも評価されやすくなります。
【災害リスクは「価格を下げる要素」ではなく「選ばれる理由」
以前は、災害対策というと購入後の備えというイメージでした。
しかし、現在では購入前の重要な判断材料になっています。
つまり、災害リスクを確認することは、「危険な場所を避ける」だけではありません。
将来的に価値が維持される住宅を選ぶための作業でもあります。
ただでさえ、ハザードマップが役に立たないほどの自然災害が起こる日本。
この夏にも千葉県で線状降水帯が発生し、都市機能がダウンするほどの影響が起こりました。
しかも、ハザードエリアでない街でも被害が出てしまったのです。
こうした背景もあるので、住む場所を選ぶという事も難しい時代にもなってしまいますが、
ココに固執してしまうと、どこも選べなくなってしまう。。。
「安全はお金で買う時代」とも言えるかもしれませんが、予測不能な事を想像するのはナンセンス。
大変な時代です。。。
記:ライフプランナー 武井