
Vol.309 ガソリンスタンドやクリーニング店跡地の問題
ガソリンスタンドやクリーニング店跡地の問題
〜普段気にもする事ない、でも、そんなのもあるの!?な話〜
ガソリンスタンドやクリーニング店の跡地。
閉店して、その後何が出来るの?って思いますよね。
ただ、そうは簡単にいかないのが世の常で、
建物を建てるまでには、たくさんの苦労と問題点があるんです…。
1.なぜ問題になるのか?結論は「土壌」
結論から言うと、最大のポイントは「土壌汚染の可能性」です。
ガソリンスタンドやクリーニング店では、
・石油類
・溶剤
・化学物質
が使われていました。
これらが地中に残っている可能性があるため、不動産としては慎重に扱われます。
【ガソリンスタンド跡地のリスク】
まずガソリンスタンド。
ここで問題になるのは、
・地下タンク
・ガソリンや軽油の漏洩
です。
特に昔の設備では、
・防水性能が不十分
・長年の使用による劣化
などにより、地中に油分が染み込んでいる可能性があります。
【クリーニング店跡地のリスク】
次にクリーニング店。
こちらは、ドライクリーニング溶剤(例:テトラクロロエチレンなど)が問題になります。
これらは揮発性があり、地下水にも影響を与える可能性があるため、
環境面でのリスクとして扱われます。
2.土壌汚染があると何が起きるのか?
では、実際に土壌汚染があるとどうなるのでしょうか。
①建築前に調査が必要
一定条件に該当すると、土壌調査が義務付けられる場合があります。
②改良工事が必要になる
汚染が確認された場合、土の入れ替えや浄化処理などが必要になります。
当然、高額な費用がかかる可能性があります。
③売却しにくくなる
仮に問題があった場合、次に売るときにも説明義務(告知)が発生します。
これにより、
・買い手が限定される
・価格が下がる
可能性があります。
3.なぜそれでも売りに出るのか
ここがポイントです。
こうした土地は、リスクがある分、価格が調整されていることが多いです。
つまり、
・リスクを織り込んだ価格
・条件付きでも魅力がある
という状態です。
このリスクは、土壌改良費と言った安全にするための費用がプラスで掛る上、
安全になったとは言え、長期の健康面を考えた際の人それぞれの考えが加算されています。
①価格が割安
リスク分が価格に反映されているため、相場より安く取得できる可能性があります。
②立地が良い
ガソリンスタンドやクリーニング店は、
・人通りがある場所
・利便性が高い場所
に立地していることが多いです。
4.実は「必ず危険」ではない
ここで誤解してはいけないのが、すべての跡地が危険というわけではないという点です。
・すでに調査済み
・対策済み(土壌改良)
・問題なしと確認されている
ケースも多くあります。
【見極めるためのポイント】
では、どう判断すればよいのでしょうか。
①過去の利用履歴を確認
・何年使われていたか
・どんな設備だったか
②調査の有無
・土壌調査が実施されているか
・報告書があるか
③対策の履歴
・改良工事が行われているか
・どの程度の処理か
こうした物件では、不動産会社の役割が非常に重要です。
・過去の履歴を調べる
・必要な調査を提案する
・リスクを正しく説明する
これを怠ると、大きなトラブルにつながる可能性があります。
【売る側の注意点】
売主側としても、
・過去の利用履歴の開示
・調査結果の提示
が重要になります。
これを曖昧にすると、後々に契約不適合責任の問題に発展する可能性があります。
不動産は、表面だけでは判断できません。
・立地
・価格
の裏には、過去の使われ方があります。
そうした見えない部分も含めて、正しくお伝えすることが役割です。
これら特殊な物件においては、それぞれの会社や担当者による経験も重要です。
不動産会社に勤めているからと言って、誰でも取り扱える代物ではないのです。
健康被害の可能性もある。
つまり、不動産と言っても状況が異なりますから、
決して買主の責任とは言い切れない部分がある事は事実。
売主としては、売却依頼するにも、その責任が発生します。
ご慎重に。
記:宅地建物取引士 原田