
Vol.333 ホテルを共有で所有する。夢か現実か。
不動産投資としての新しい形とその落とし穴
「ホテルを一部だけ所有できる」
「使わないときは貸し出して収益になる」
そんな話を聞いたことはありませんか?
近年、「ホテルの共有所有」や「宿泊施設の分割所有」
一見すると、 “夢のような仕組み”に感じるかもしれません。
しかし結論から言うと、現実的には、“魅力とリスクがはっきり分かれる投資”です。
今回は、「ホテルを共有で所有する」という仕組みについて、
1.ホテルの共有所有とは何か?
まず仕組みを整理しましょう。
主な形態
① 区分所有型(コンドミニアムホテル)
② 共有持分型(複数人で1室を所有)
③ 投資商品型(ファンド・小口化商品)
「一棟丸ごと」ではなく、「一部だけ持つ」のが特徴です。
2.なぜ注目されているのか?
理由① 初期費用が抑えられる
数百万円〜投資可能なケースも
理由② 運用を任せられる
管理・集客は運営会社が担当
理由③ 利用もできる
自分で宿泊できる権利付きの場合あり
“投資+利用”というハイブリッド型です。
3.夢のように見えるポイント
①不労所得のイメージ
→宿泊収益が分配される
②リゾート気分
→自分のホテルを持っている感覚
③手間が少ない
→管理不要
魅力的に見えるのは事実です。
【しかし、現実はどうか?】
リスク① 収益が安定しない
ホテル業の特徴として、ポイントがあります。
■景気に左右される
■観光需要に依存
■災害・感染症の影響
つまり、収益が大きく変動し、想定利回り通りにいかないケースも多いです。
リスク② 自由に使えない
商品にもよりますが、よくある制限があります。
■利用日数の制限
■予約の競争
■ハイシーズンは使えない
“自分のもの”という感覚とズレが出ます。
リスク③ 売却しにくい
■市場が小さい
■買い手が限定的
■商品が複雑
→出口戦略が難しいのが大きな問題です。
リスク④ 運営会社に依存する
収益は運営会社次第です。
■集客力
■経営力
■ブランド力
運営が弱いと収益も下がってしまうもの。。。
リスク⑤ 権利関係が複雑
■管理費の増加
■修繕費の負担
■利用ルールの変更
契約内容の理解が不可欠です。
4.不動産としての評価
通常の不動産との違い、
■自由に使えない
■自由に貸せない
■自由に売れない
“所有しているがコントロールできない”という状態になりやすいです。
管理している会社次第で、どうにでもなってしまう。
いくら知識があろうと無意味です。
<向いている人>
■投資として割り切れる
■リスクを理解できる
■利用価値も重視する
<向いていない人>
■安定収益を求める
■完全な所有感を求める
■売却を前提に考える
いわゆる、ハイリスク・ハイリターン?
【それでも成立する理由】
ではなぜ、この仕組みが存在するのでしょうか?
理由① 新しい投資ニーズ
→少額で始められる
理由② 観光需要の拡大
→インバウンド回復
理由③ 不動産の小口化
→投資のハードルを下げる
まぁ、時代の流れに合った商品ではあるのです。
その上で、成功するためのポイントというものもあります。
① 運営会社の実績を確認→その会社、知ってる?
② 立地を重視→観光地なのか?都市部なのか?
③ 契約内容を理解→利用・売却条件は細かく設定されているか?
“よく分からないまま買う”が最も危険です。
今回のテーマをまとめると、
夢になるケース→ 利用と投資がうまくハマる
現実の厳しさ→ 収益・流動性・制約
使い方次第で評価が大きく変わる不動産と言える商品です。
「ホテルを所有する」これは確かに魅力的な響きです。
しかし、それが“本当に自分に合っているか”は別問題です。
不動産は、仕組みを理解した人が得をする世界です。
当社では、不動産投資のご相談やリスクの見極め、商品の比較分析までトータルでサポートしています。
「これって本当に大丈夫?」
そんな疑問がある方は、ぜひご相談ください。
夢だけでなく現実も見据えた判断が、後悔しない不動産選びにつながります。
記:ファイナンシャルプランナー 菊池